建物などだけでなく、私たちの日常生活に様々な被害をもたらす台風。
特に植物や農作物への被害は甚大なものになりやすく、台風が多発する9月~10月は警戒が必要となります。
台風による被害は、もちろんブルーベリーも例外ではなく、他の農作物と同様に注意と警戒が必要です。
今回は、家庭の庭などで育てているブルーベリーにおいての台風対策をご紹介したいと思います。
ブルーベリーの台風被害
ブルーベリー栽培における台風の被害とは、どんなものがあるでしょうか?
一番の多い事象は枝が折れてしまうこと。
次に根元ごと倒れてしまうこと。
さらにブルーベリーの収穫期であれば、実の落下も台風被害として考えられます。
ただ、収穫期に入っているブルーベリーであれば、前日にブルーベリーの実を収穫することで、被害は最小限に抑えることは可能です。
それでは、前述した台風被害としてもっとも多い「枝が折れてしまうこと」と「根元から倒れてしまう」この2つの被害について考えてみましょう。
まず被害として一番多い枝が折れてしまう事象。
これはブルーベリーの新芽が伸びる時期(9月~10月)と、台風の多発時期が重なる事が原因となります。
今年伸びたばかりの若い枝は、しなりやすく風にあおられやすい枝です。
そのため台風のように長時間風にさらされていると、しなった部分に負荷がかかり続け、やがては枝が折れてしまいます。
またブルーベリーそのものの特徴として、枝の細さの割に、樹高(木の高さ)が高くなりやすいという点も、台風被害を受けやすい要因です。
ただこの場合は、上記で述べたようなしなりによるものというよりは、瞬間的な突風によって主枝が折れる可能性が高いので、樹齢が長いほど突風には注意しないといけません。
どちらかと言えば、横に広がりやすい品種は風によって枝が折れやすく、縦に伸びる品種は突風で倒木しやすくなります。
次にブルーベリーが根元から倒れてしまう場合についてです。
基本的には、強風によってブルーベリーが根元から倒れてしまうことは、ほとんどありません。
それは上記でも述べたように、倒れるよりも前に先に枝が折れるためです。
ですが、実際に私の育てていたブルーベリーも強風で根元から倒れた事があります。
ではどうして、そのような事態が起きるのでしょうか?
答えは根張りが悪い樹だったからです。
根の張りが悪いブルーベリーとは、コガネムシの幼虫などに根を食害されていたり、植え付けて間もないブルーベリーのことを指します。
こういった樹は、地に足が付いていない状態と同じで、枝や葉が風にあおられると土ごとめくれ上がり倒れてしまいます。
強風で倒れた私のブルーベリーも、コガネムシの幼虫に食害されている樹でした。
成長の悪い樹があったり、食害を疑われるブルーベリーの樹がある場合は、台風の接近前に確認をするようにしましょう。
コガネムシによる食害の対処法は、こちらのコガネムシ対策と防除法でご紹介しています。
ブルーベリーの台風対策
それでは、家庭菜園や家の庭で育てているブルーベリーの台風対策についてご紹介していきましょう。
まずブルーベリーの栽培に使用しているバークチップや防虫ネットは、ポリ袋などにまとめて片づけてしまいます。
特にバークチップは1枚1枚が軽いので、そのままにしておくと台風の風に飛ばされて無くなってしまいます。
台風接近の前に必ず回収しておきましょう。
次にブルーベリーの枝についてです。
上記でも述べたように、枝が折れてしまうのは風にあおられてしまうためですから、枝があおられないように、広がる枝を麻紐などを使ってまとめておきましょう。
緑色をした若い枝はしなりやすいので、強引に曲げても大丈夫ですが、茶色い硬化した枝は折れやすいので、注意してまとめるようにしましょう。
こうしておくと枝同士の摩擦も起きにくくなるので、葉や枝に傷がつきにくくなります。
あとは、庭の大きさやまわりの地形を考え、風を遮るような対策ができるならやっておきましょう。
一番やりやすいのは車の駐車位置でしょうか?
いつもは余裕を持って駐車場に入れると思いますが、台風の前はブルーベリーの樹を守るように駐車したり、庭のギリギリまで寄せて風の流れを変えたりしても良いかもしれません。
逆に風に飛ばされてブルーベリーの樹にぶつかりそうなものは、事前に片づけておくようにしましょう。
それでは、皆さまとブルーベリーの樹が無事であることをお祈りしています。