ブルーベリーを栽培するうえで欠かせない肥料。
ただブルーベリーには化成肥料などに含まれる「硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)」ではなく、「アンモニア態窒素」という窒素が必要となるため、肥料を選びます。
そのためプロトリーフのブルーベリー専用肥料が必要となる訳ですが、このような固形肥料ではなく、液体肥料を与えてもブルーベリーに効果がでるのでしょうか?
ブルーベリー専用液体肥料というものは見たことがないので、市販の植物用液体肥料はブルーベリーに使えるのかどうか?
気になったので調べてみました。
どのような液体肥料がブルーベリーに効果があり、どのような変化が出るのか、実際に使用して確認してみました。
ブルーベリーの苗に液体肥料を与えて実験
まず用意したのは、去年挿し木をした1年生の苗。
この苗に液肥を与えて、成長や効果の違いを観察してみようと思います。
スタート時期は4月、新芽が出てきた頃となります。
土はすべて同じ比率のピートモスと鹿沼土、日照条件もほとんど同じといって良いと思います。
そして与える肥料は、左から、
・水のみ
・ハイポネックス 週1回
・天然植物活力液「HB-101」 週1回
となります。
検証内容としては、どれが一番成長が良いのかということですが、他にもハイポネックスには硝酸態窒素もアンモニア態窒素も入っているようなので、ブルーベリーにどのような変化が起きるか。
一方HB-101は植物エキスですが、ブルーベリーに効果が出るのかどうか確かめたいところです。
ブルーベリーの液肥実験スタート
水や液肥を与えて5日後。
それぞれ新芽が伸びてきています。
まだ差は見受けられません。
ハイポネックスの土だけ、異常に苔が生え始めたのです。
特別このポットだけ水はけが悪いということはないですし、日照時間も同じくらい。
ハイポネックスは土に養分が貯まりやすいのでしょうか。
30日後。
ご覧のとおり、ハイポネックスの葉がまるで違う植物かのように深い緑色になっています。
これはちょっと健康的なブルーベリーの葉とは言えないような…。
しかも葉だけが成長しているようで、あまり丈が伸びてきません。
一方HB-101は葉の艶もよく、水だけの苗(1番左)より小さかったのですが、大きさも追い付いてきています。
そしてなんと、HB-101の苗に1輪だけ花が咲いていました!
花芽があるようには見えなかったのでビックリ。
これもHB-101の効果なのでしょうか。
35日後。
ここでそれぞれ、葉の状態をご覧いただきたいと思います。
まずは水だけの苗。
色が薄く、黄色に近い色をしています。
やはり養分が少ないのでしょう。
次にハイポネックス。
葉が肉厚で、色も濃いです。
水だけの苗と比べれば、ハイポネックスがかなり効いていることは明らかですが、効き方が強すぎるという印象があります。
最後にHB-101.
3つの中で1番健康的な葉の色をしていて、成長も良好です。
そして全体の成長がこちら。
スタート時は「水だけの苗」が1番大きかった訳ですが、この時点ではHB-101が大きさでトップになり、ハイポネックスは水だけの苗より大きくなれていません。
この結果を見ると、HB-101はブルーベリーにも効果が見られ、ハイポネックスはブルーベリーに適していないことが分かりました。
実験結果
ご覧のように、ハイポネックスの苗の葉が極端に緑色になったことを考えると、「窒素」が効きすぎているようにも思えますが、そうすると茎が伸びなかったことがわかりません。
ハイポネックスには硝酸態窒素も多く含まれていたことが、正常な成長に繋がらなかった要因と考えるべきでしょうか。
ハイポネックスは効果を追求して人工的に調整された肥料ですから、今回の実験でも示されたように効きが強すぎることが裏目に出ます。
花や蕾に散布してしまうと、植物を傷めてしまうほどです。
(こういう液肥は根元に散布して使用します。)
また実験途中でも苔について触れましたが、土壌のバランスを崩しやすいという一面もあるようでした。
一方、HB101は良好な結果を得られました。
「水だけの苗」を成長の基準とすると、葉の状態も茎の伸びも、全て基準を上回る効果を上げました。
健康の一言です。
HB101は植物(杉、桧、松、オオバコ)から抽出されたエキスなので、おだやかにしっかりと効くため、有機栽培に向いていて安全性が高い肥料となります。
またカルシウムやナトリウムも含まれており、植物の「光合成効率を良くすること」で植物を元気にするという、自然の原理に基づいた肥料となっています。
ですから、葉や花に散布しても植物を傷めることがありません。
これらのことから、ブルーベリーの液体肥料には、植物や野菜用の液肥を使うよりも、HB-101を使うと効果的であることが実証されました。