ブルーベリーを育てていて花が落ちてしまい心配になっている方、実が大きくならないという方も意外と多いと思います。
私もブルーベリーの育成には何度となく失敗し、実が実らなかったという経験をしてきました。
今回は、なぜ実らずに花が落ちてしまうのか、またなぜ実が大きくならないのかという原因を考えてみたいと思います。
受粉の失敗
まずは花が落ちた場合、どのように落ちたのかを確認してみましょう。
「花びらだけ」が落ちて根もとが樹に残っているのであれば、受粉が成功している可能性が高いです。
結実の工程で花弁が枯れ落ちただけと考えられます。
詳しくはこちらのブルーベリーの受粉が成功したかどうかの記事を参考にしてみてください。
「根元のヘタごと」落ちている場合は受粉が失敗した花となります。
土の上を見ると、受粉できなかった花が落ちています。
ただ、ご家庭のお庭でブルーベリー栽培をしていて、全ての花が100%受粉するというのはありえません。
ある程度(2~3割)は不受粉の花があっても仕方ないことです。
ただ受粉した花より失敗した花の方が多く、ブルーベリーの実が少ししかできなかったという場合は、何か失敗した原因があるはずです。
考えてみましょう。
ブルーベリー不受粉、5つの可能性
まず1つ目は人工授粉の時期と方法が悪かった場合。
新鮮な花粉を使って、開花したばかりの花に受粉したでしょうか?
上手く受粉するためには花の鮮度も大切で、開花直後の花に人工授粉を行った方が受粉確率は上がります。
ただし雨の日は花粉が流れてしまう可能性があるので、開花後の晴れた穏やかな日に行いましょう。
人工授粉の方法についてはブルーベリーの人工授粉の記事で詳しくご説明しています。
2つ目は、人工授粉後の管理に問題があった場合。
ブルーベリーはとても水を好み、水切れに弱い植物です。
実をつけるというエネルギーが必要な時期に水切れが起きると、生命維持を優先して実が大きくならず、最悪の場合実を落としてしまいます。
これは肥料についても同じで、肥料切れでも実をおとす原因になる可能性があります。
まずはブルーベリー専用肥料と水をたっぷり与えることをしてみましょう。
あきらかに肥料切れが原因だと思う場合は、固形肥料ではすぐに効果が出ないので、液体肥料を使用しましょう。
ブルーベリーに使う液体肥料については、ブルーベリーに液体肥料は何を使うべきか?の記事でご紹介しています。
3つ目は、冬に適切な剪定をしなかった場合。
冬季に適切な剪定を行わなかった場合、残った枝と春に伸びた枝が混在し、樹の年齢が浅いほど枝が多くなりすぎてしまいます。
その結果、樹の大きさに似合わない数の花をつけてしまい、これもまた樹が余分なエネルギーを使ってしまう原因になります。
冬の剪定作業は欠かさずに行いましょう。
4つ目は、ブルーベリーが育つ環境が整っていない場合です。
そもそもという感じですが、購入した苗木をブルーベリーに適した環境で育てていない場合、上手に実をつけることはできません。
ブルーベリーはどんな土でも育つということではなく、酸性の土で育てる必要があります。
土作りについてはブルーベリーを植えるための土づくりの記事を参考にしてみて下さい。
またプランターや鉢で栽培している場合は、樹の年齢と鉢の大きさが釣り合っているかも確認してください。
2年目なら8号、3年目なら10号が目安です。
さらに見落としがちなのが、鉢の温度上昇です。
熱を吸収しやすい素材でできた鉢の場合、直射日光を受けていると鉢自体が高温になっている可能性があります。
これにより乾燥が早まったり、熱が根にダメージを与えている場合もあります。
確認してみましょう。
最後に5つ目、害虫により樹が弱っている可能性です。
樹全体が弱々しい場合や、少し引っ張るだけで樹がグラつくような場合は、害虫の攻撃を受け根が弱くなっている可能性があります。
ブルーベリーの土の中にコガネムシの幼虫はいないでしょうか?
一度根元を確認してみる必要があると思います。
いかがでしたでしょうか?受粉後の花が落ちる原因に思い当たるものはありましたか?
花が咲いたときだけ世話をすれば良い、という訳にはいかないのがブルーベリー。
季節ごとに必要な世話をしてあげることが大切です。
そして美味しいブルーベリーの収穫を目指しましょう!