ブルーベリー収穫奮闘記 新築の庭でブルーベリーを栽培。ブルーベリーの育て方と成長を観察記録するブログ。

葉が透ける?一部の葉だけ枯れるイラガの食害

イラガの幼虫によるブルーベリーの被害

6月~7月にかけ、急に葉の一部が枯れ出したり透けたような葉を見つけることがあるかもしれません。
それは「イラガ」の幼虫による食害の可能性があります。
イラガは蛾の一種で、幼虫はブルーベリーをはじめとした果樹の葉を食べて成長します。
放っておくと葉がすべて食べられ、光合成ができなくなり、収穫はおろか株が枯れてしまうこともあります。

イラガの幼虫による被害

イラガによる食害はかなり特徴的で、発生するとすぐにわかります。
イラガの幼虫によるブルーベリーの被害
このように葉の裏面だけを食害するため、透けたようになったり、葉の一部分だけが枯れたりします。
イラガの幼虫は毒を持っていて刺しますから、こういった葉を見つけても決して素手で触ってはいけません。

イラガの幼虫は、集団で行動することが多いです。
イラガの幼虫
集団で移動しながら葉を食害し、葉から葉へと移動します。

イラガの発生初期は葉の被害は一部だけですが、時間がたつと順番に葉を食害していくため、葉の端から順番に茶色く透き通っていきます。
進行するイラガの食害
これを放っておくと、葉がすべてやられてしまうという訳です。


イラガが発生してしまったら

基本的な対処方法としては、「被害が一部だけ」という確証があれば、その枝を取り除くことで対処できます。
しっかりとグローブをして被害のある葉から先の枝を落としてしまいましょう。

被害が広範囲にわたっている場合は、葉を全て枯らしてしまう可能性があるので、農薬の散布で乗り切りったほうが良いです。
スミチオンなどブルーベリーに適用の無い農薬は安全性が担保されていませんので、間違っても食用のブルーベリーには使ってはいけません。
ブルーベリーに適用があり、イラガに効く農薬は「デルフィン顆粒水和剤」です。

1000倍に薄めて使用しましょう。
イラガにはよく効き、使用方法通りに使用すれば残留農薬を気にする必要はありません。
また被害のあった葉の周辺の「葉だけ」に散布すれば、さらに安全性は高まると考えられます。

もしもイラガに刺されてしまったら

イラガに刺されると独特な痛みや皮膚表面にヒリヒリとした感じがあるので、すぐに分かります。
イラガが意図的に刺してくるというよりは、誤って手を突っ込んだり、イラガのいる場所を触ってしまったことで刺されるという感じです。

イラガに刺されてしまったら、まずはセロハンテープで良いので患部にテープを貼り、素早く剥がしていきます。
これを行うことでイラガのトゲが抜けます。
痛くてそれどころじゃないかもしれませんが、これをしないといつまでたっても痛みは消えませんので、慌てずに冷静に行いましょう。

次は、擦らないように約50度のお湯で10秒以上洗い流します。
これは蚊に刺された時にも有効ですが、タンパク質である毒は43度以上の熱を与えれば組織が破壊されます。

毒を無害化させたら、通常の温度に戻した流水で、石鹸を使い患部を綺麗に洗い上げて処置は終了です。
1時間もすれば元の状態に戻っていくでしょう。


ポイントはいかに早く毒針を抜くかにかかっています。

イラガを発生させない予防方法

産卵をさせないためには、6月に入ったころにネットで覆い、物理的な接触を避ける必要があります。
これ以外に方法はありません。
予防方法としては、イラガの蛹は繭を作って越冬しますので、自宅の庭の木に「白と茶色の模様」のある繭が付いていないか確認しましょう。
成虫になる前の繭を駆逐することで、成虫の個体数を減らし、産卵される確率を減らすことができます。