ブルーベリー栽培において、コガネムシの幼虫は最大の失敗要因であり、最悪の害虫です。
コガネムシの幼虫はブルーベリーの根を食いつくしてしまうのがやっかいで、発見が遅れると最悪の場合樹が枯れてしまいます。
またやっかいなのが、コガネムシの成虫は1回の産卵で数十個の卵を産むといわれているため、1匹だけに襲われると言うのは稀で、やられるときは一度に数十匹に襲われてしまうのです。
そんなコガネムシはどうやって防げばいいのか?対処法をご紹介します。。
※この後にも明記致しますが、農薬の「スミチオン」は食用ブルーベリーには使用禁止です。
ネットの間違った情報にお気を付けください。
コガネムシに産卵されないためには
コガネムシの幼虫や成虫による被害は、基本的にどのような植物を栽培していても被害にあう可能性があります。
ブルーベリーだけに被害がでる訳ではありません。
しかしブルーベリーに使用する土のピートモスは、どうやらコガネムシにとって産卵しやすい環境らしく、結果的にブルーベリーで発生しやすい被害となってしまうのです。
成虫の産卵は土の中でされ、幼虫も土の中で暮らします。
ですから、地上に出てきたところを補殺ということは出来ません。
そのため知らない間に被害を受け、気付いた時にはブルーベリーの調子が悪なり、実はもう枯れていた…なんていうことも起こりえるのです。
では、どのようにしてコガネムシの産卵を防げばよいのか?
それは、物理的にピートモス(土)とコガネムシの接触を遮断してしまえば良いのです。
しかし木やプラスチックの板で遮断してしまうと、当然ですが水やりが出来なくなってしまいますし、通気性も悪くなってしまいます。
そこで私が実践しているのが、防虫ネットとバークチップを使った防除方法。
これを行ってからは、ブルーベリーが枯れたり弱ったりするほどの被害にあったことはありません。
ぜひ皆さん試してみてほしいです。
それでは防虫ネットとバークチップを使った具体的なコガネムシ防除方法のやり方をご紹介しましょう。
ブルーベリーのコガネムシ対策
コガネムシ対策はいつ始めても効果的ですが、基本的には植え付けと一緒に行うと良いでしょう。
コガネムシの発生は5月ごろからとなりますので、遅くともゴールデンウィークまでには作業されてください。
まず用意する物は、こちらの2つ。
・防虫ネット
水は通すが虫は通さない目の細かい防虫ネット。
家庭菜園のトンネルにも効果的。
・バークチップ(ウッドチップ)
お庭の装飾用としても使用されるバークチップ。
この12Lで1本~1.5本分のマルチが可能です。
4本であれば40Lが目安となります。
これらの道具を使ってコガネムシ対策を行っていきます。
まずは防虫ネットを30cm~40cm程度に切り取り、樹を挟むために一箇所だけ真ん中まで切り込みを入れます。
このように切り込み入れておくことで、ブルーベリーの根元を中心に防虫ネットで包む事ができます。
端は土で埋めて、隙間の無いようにしておきましょう。
これがコガネムシとピートモスの物理的接触を阻む最終防御壁となります。
そしてこのネット上にバークチップでマルチングをしていきます。
バークチップでマルチングをすることで、防虫ネットとの2重構造になり、コガネムシを侵入させなくします。
しかもバークチップは水を弾き、防虫ネットは水を通す隙間がありますので、水やりはいつも通りでOK。
さらにバークチップには土を蒸発させないという保湿機能もあり、庭の美観も良くしてくれるので一石三鳥の効果!
ブルーベリー栽培には最適なツールです。
これでブルーベリーの根元にバークチップと防虫ネットという2枚の壁ができました。
コガネムシに産卵され根が食べられてしまう可能性はかなり低くなりました。
もしコガネムシに産卵されてしまったら
すでにコガネムシに産卵されていたり、食害が始まっている場合の対処方法は二通りとなります。
1.農薬の使用
間違っても「スミチオン」は使わないでください。
スミチオンは食用ブルーベリーには適用がなく使用が禁止されています。
ブルーベリーに使用できる代表的な農薬は、こちらのダイアジノンという物になります。
オフィシャルの登録品目にブルーベリーが明記されています。
http://www.greenjapan.co.jp/diajinon_r5.htm
収穫の14日前までに2回使用できます。
農薬は説明書きの使用方法や用量をしっかり守って使えば安全です。
2.植え替え
農薬を使わないでコガネムシの幼虫を退治するには、ブルーベリーを土から抜く必要があります。
コガネムシの発生が確認出来たら時期を問わず、一刻も早く土から抜いてしまってください。
詳しいブルーベリーの抜き方は、こちらのブルーベリーの植え替えや移植で樹を抜く方法でご紹介していますが、
やり方としては、生きている根をなるべく切らないように広く土を掘り返し、軽く土を落とします。
そいて、そのまま根の部分を土ごと水を張ったバケツに入れておいてください。
半日ほど置いておけば、根の中に潜むコガネムシの幼虫も窒息しているはずです。
そして植えていた場所は、何度も土を返しながらコガネムシの幼虫を探して補殺していきます。
必要であれば土の入れ替えも検討しましょう。
すべてのコガネムシを撃退できていて、管理をしっかりと行えば、来年花を咲かせることも可能となります。
このようにコガネムシにやられると、樹へのダメージ以外にも色々と手間がかかるようになってしまいます。
やはり、産卵させないという対策が一番重要になってきます。
防虫ネットとバークチップを使ったコガネムシ対策は想像以上に効果が高いので、ぜひ皆さんも試してみていただければと思います。