ブルーベリーは他家受粉といって、自分自身の花粉（自家受粉）では実がつきにくいという特徴をもつ樹です。
ブルーベリーが沢山植わった果樹園や、他の株から花粉を運んでくれる蜜蜂などの虫がいれば何もしなくても受粉が行われますが、家の庭などでブルーベリーを育てている場合は、人が介在して「人工授粉」をしてあげないと、実がつきません。
ですから自宅の庭でブルーベリーを育てる場合は、同系統・他品種のブルーベリーを2本以上一緒に育て、人工的に受粉をさせる必要があります。
今回は、その人工受粉のやり方についてご紹介したいと思います。
ブルーベリーの系統とは？
まずブルーベリーの受粉における基本的なこととなりますが、受粉させる樹とその花粉は、同系統で揃えた方が良いとされています。
一般的に手に入るブルーベリーの系統は下記の通り３系統となります。
・ノーザンハイブッシュ系
・サザンハイブッシュ系
・ラビットアイ系
それぞれ成長に最適な気候や気温に違いがあるのですが、自宅で育てやすいのはラビットアイという系統で、ブルーベリーの中では育てやすい系統となります。
この3種の系統うち同一系統で別々の品種を並べて育てていると、人工受粉を粉う際に楽になります。
スペースさえあれば、3本4本と違う品種を育てていくのが理想的です。
人工受粉を行う時期
人工授粉の成功率をあげる最大のポイントは、ブルーベリーの花が咲いたらすぐに人工授粉を行うこと、これに尽きます。
時期としては、温暖地であれば3月下旬～4月上旬ということになりますね。
ブルーベリーの花自体は1～2週間程度は咲いていますが、受粉という意味では鮮度が大切。
蕾になった花を見つけたら、それから毎朝花を確認をするようにして、開花したことを確認したらすぐに人工受粉にとりかかりましょう。
ただ雨や水やりで花が濡れると花粉が流れてしまったり、うまく花粉がつかない可能性もありますから、開花を確認した日以降の晴れた日の朝に人工授粉を行うことをおすすめします。
人工受粉の方法
さて、ここからはブルーベリーの人工受粉のやり方についてご紹介します。
人工受粉を行うための方法はいくつかありますが、経験が少なくても確実性が高く、そして見た目にもわかりやすい方法が耳かきを使った人工授粉です。
やり方を説明します。
花粉の集め方
まず最初は、人工授粉を行うためのブルーベリーの「花粉集め」から行っていきましょう。
どこのご食卓にもあるであろう、深めのお椀などを使い花粉を集めます。
このように中面が黒いお椀だと花粉がわかりやすいです。
100円均一などでも売っていますから、事前に外用として揃えておくのも良いと思います。
ブルーベリーの花粉はとっても細かいので、花粉を集めているうちに風で飛んでしまわないようお椀を花の真下に置いた状態で、ブルーベリーの枝を優しく揺すってみましょう。
お椀の中に花が入ってしまうくらいでも構いません。
すると花粉がお椀の中に落ちてきますので、この作業を花を変えながら繰り返し、どんどん花粉を集めていきます。
これがブルーベリーの花粉。
細かすぎて拡大しても見えないかもしれません…。
集めた花粉を使って別の樹へ受粉させますが、この時に使うのが上でご紹介した耳かきの反対側の梵天 (ぼんてん)となります。
プロの果樹農家さんでも人工授粉には梵天が使用されますので、方法としてはスタンダードなやり方です。
当然果樹農家さんは耳かきではなく受粉専用の梵天を使用していると思いますが、一般家庭では普通の耳かきがあれば十分です。
お椀に集めた花粉を梵天に軽くつけ、受粉させたい花へ花粉をつけます。
ブルーベリーの花の先端に軽くトントンと触ってあげるだけで、花粉はつきます。
人工受粉は優しく行いましょう。
お椀の花粉をつけて、花に優しくトントン。
これを繰り返せば人工授粉完了となります。
どうでしたか？ブルーベリーの人工授粉のやり方。
かなり簡単だったのではないでしょうか？
ネット上には、この梵天を使ったやり方の他にも花同士を直接つけるような人工授粉の方法も紹介されていました。
確かに授粉するとは思うのですが、この方法はメロンなどの雄花と雌花が別々に咲く花に行われる方法であって、ブルーベリーでこのやり方をしてしまうと花を摘んでしまうことになるんですよね。
つまり収穫量が減るということですから、おすすめできるやり方ではありません。
また他にも、指にブルーベリーの花粉をつけて人工授粉させる方法もあるようですが、慣れていないと効率が悪く、なにより花粉が風に飛ばされ失敗するリスクが高いです。
やはり家にある物で簡単に、かつ確実に受粉できる、今回ご紹介した梵天を使った人工授粉が1番おすすめだと思います。
さて、気になるのが人工授粉の結果ですよね。
ブルーベリーの人工授粉が成功したかどうかはブルーベリーの受粉が成功したかどうかの記事でご紹介します。